本気で思えば、理想は実現できる

世界各地に愛好家を有する、日本発祥の武道・空手。国際大会では各地の選手たちがしのぎを削り合う。その中で、実力、人気ともにナンバーワンといえる存在が女子個人型の清水希選手だ。

空手には「組手」と「型」の2種目がある。1対1の対戦競技である組手に対して、型は仮想の敵に技を繰り出す演武を1人で行い、1つひとつの技の正確性や力強さ、スピードなどを競う。

技のキレと美しさが持ち味の清水選手は、これまでに世界選手権で2度優勝、全日本選手権は6連覇中と、トップを走り続けてきた。

そんな清水選手は、どのように目標を据えて、日々の鍛錬をこなしてきたのだろうか。

「まず長期的な目標を立てて、そこから逆算して、中期的な目標、さらに短期的な目標を設定するようにしています。例えば大きな国際大会で納得のいく演武をする事を目標に決めると、そこに至る主要な大会までに「このくらいまで技の完成度を高めていく」という計画を立てます。そしてそのために必要な毎日の練習を考え、実践するように心がけています」

そんな努力の積み重ねの成果が、垣間見えた場面があった。世界79の国と地域から選手たちが集まった「KARATE1プレミアリーグ2019東京大会」での事。決勝戦の相手は、近年清水選手と僅差の勝負を続けているスペイン人選手。そんなライバルと同点で競り合い、延長戦の末に破るという、劇的な勝利を飾ったのだ。

「ひとつの大会で、同じ種類の型を繰返し演じる事はできません。延長戦はめったにない事ですが、私は以前から想定して、延長戦用の型を練習していました。だから本番で動揺することなく演武ができ、勝利を勝ち取る事が出来ました」

この入念な準備こそ、清水選手が常に最高のパフォーマンスを発揮できる理由だ。

「できるだけイメージを膨らませて、状況を先読みし、どんなときも対応できる準備をする。そうした対応力は、失敗も成功も含め、いろいろな体験をする事で磨かれていきます。だから、失敗を恐れずに、たくさんの場数を踏むことが大切なのです」

長期的な目標から、日々なすべきことを割り出して、地道に経験を積んで行く事は、仕事の取り組み方にも通じるだろう。はじめのうちは近道しようとせず、清水選手が語るように失敗も糧にしながら経験を重ねて行く事が重要だ。

また、清水選手は周囲の人々と対話する事で、彼らの経験から学び、自らの経験値にしてきたという。

「アスリートをはじめ、いろいろな立場の方からお話を聞きます。競技に関する話題ばかりではありませんが、いかせることがあると思っています。特に年上の方のお話を聞く事は、その方の人生経験を自分の財産にする貴重な機会だと考えています。新社会人の皆さんも、仕事やそれ以外でも、疑問に思ったことや聞きたい事を上司や先輩に積極的にぶつけてみると、成長のためのヒントを得られるはずです」

自身も後輩選手たちからアドバイスを求めれることがあるという清水選手は、こう続ける。

「大事なのは生きた言葉で会話する事。話かけるのが苦手な方もいると思いますが、少ない言葉でもいい。形式ばった話ではなく、本心から聞きたい事を尋ねてほしいと思います」

“常勝”のイメージが強い清水選手だが、かつては思い描く成績が収められず、もがき苦しんだ日々があったという。

「高校最後の年まで、全国優勝をする事が出来ず、思い悩んだことがありました。さらに高校2年時には、先輩たちがつないできた連覇の伝統を自分が絶ってしまい、大きな挫折を味わいました。そのとき、どれだけ練習しても本番では力がだせないのは、メンタルの弱さが原因だと気づいたのです。そこで、私生活における心がまえから変えて、試合に対する気持ちを上げて行こうと決心しました。靴の並べ方など、ちょっとした生活態度から見直したり、読書で培った教訓を実践したりした結果、高校最後のインターハイで優勝する事ができました」

苦しみながらも、思考錯誤する中で一度勝利をつかんだ清水選手はその後、世界の頂点へ上り詰めていった。壁にぶつかり窮地に追い込まれたときこそ、一から自分を見つめ直し、変革するチャンスだったのだ。

「人ってなかなか変わらないもので、変えようとチャレンジすること自体、勇気がいること。だから、どれだけ本気になれるかが重要なのです。本気を出して、がむしゃらにやっている間は、何が正しく、何が間違っているかが分からず、悩んでしまう事もあると思います。けれども、それはいつか全部自分に返ってきます。1ヶ月後、1年後になるか分かりませんが“本気でやってよかった”と思えたときには、きっと壁を乗り越えられるはずです」

最後に清水選手は、思い描く自分を実現するため、理想の掲げ方について語ってくれました。

「私はいつも、あえて高い理想を思い描いて、チャレンジしています。その理想に近づいてきたら、またさらに高い理想を掲げて…と、繰り返すのです。それは自分に厳しくなることでもありますが、苦しまないと生みだせないものがありますし、窮地に立たないと気づけない事もあらいます。そういう経験を、自ら勝ち取りに行く気持ちを持つことが成長のためにも大切なものかなと思っています」

「2020年ゆうちょの新社会人応援」より

道場生の皆さんは、

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剛柔流空手道 誠志館交野道場

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